医療に関する都市伝説はいくつも存在するが、それは医療の常識とは大きく食い違っている。

例えば、鼓膜が破れると二度と音が聞こえないという都市伝説がある。しかし、鼓膜が破れたとしても自然と再生するので、二度と聞こえないということはない。
むしろ中耳炎などを発症した場合、治療行為として鼓膜に穴を空けることもある。つまり、鼓膜が破れると二度と音が聞こえないということは完全な間違いといえるだろう。もしも、鼓膜が破れて治らなかったとしても、耳小骨が振動することで音を拾うことができる。

身寄りのない患者が重病で病院に運ばれると、二度と家に帰ることができないという都市伝説もある。医療業界では患者の意思が尊重されることが常識であり、本人が希望すればたとえ重病でも家に帰ることができる。家に帰らないというのは、あくまで患者本人が病院で入院することを了承した場合のみだ。家に帰すことが難しいような病状であっても、患者が望めば家に帰ることができる。

医療の現場では、インフォームドコンセントという概念が常識になっている。インフォームドコンセントは患者やその家族の合意を意味する概念であり、この概念を無視して治療を進めたり、入院を強制したりすることはできない。
かつては、医師が患者をリードするように治療方法や入院の日数を一方的に決めていたことがあった。しかしインフォームドコンセントという概念が確立されてからはそのようなことがなくなり、患者とのトラブルも減っている。